今年もお世話になりました!

カノミナミ2021年12月28日

もう年末も年末になってしまい、明日から年末恒例の秋田合宿です。

今年はいろいろな変化があった年、そしてパリに向けてスタートの年でした。

コロナで大変な中、続けて応援してくださる皆様、本当にありがとうございます。
なかなか報告せずにすみませんでした。

今年は東京オリンピックがありましたが、やはりコロナでてんやわんやであっという間に過ぎてしまった感じがあります。フェンシングもエペが金メダルを獲りましたが、イマイチ盛り上がりがない感じもします。

私は目標であった東京に出場できず、モチベーションの保ち方が難しかったです。また、海外での試合もあまりなく、スポーツ選手としての闘志や向上心が少し抜けてしまった感じもあって毎日練習、練習、でした。

全日本選手権ではベスト16、中日本大会でもベスト16と、なかなか結果も出せず、昔のようなトップ4に入って当然、という感覚がなくなっていて、私は、だいたい日本のメンバーの中では8人に入るかな、くらいの気持ちになってしまっていました。
なんとなく、がむしゃらにでも勝つ、というフェンシングを始めてオリンピックを目指す、と直向きに練習を積んでいた幼い頃の感覚が消えていました。
もちろん長くフェンシングをやっているのもありますが、一度、日本のトップで戦っていたところから落ちてしまって自分でもどうすればいいのかわからない状態になり、コーチにも外され、あそこには戻れない、と勝手に思い込んでいたところがありました。

しかし、11月に行われた東京都シニア大会で3位になることができました。
10月ごろから新たにフェンシングのコーチがレッスン(個人練習)をしてくれるようになり、今まで手首の怪我の復帰後、ほとんど基礎的な練習をしてこなかったので、変な癖がかなりついていてそこを直すようになりました。自分では気づかなかった基本ができていなかったり、昔できていたことが上手くできなかったり、いろいろと発見が多かったです。
もちろんすぐに直るものではないので続けてコツコツやっていくつもりです。
また、11月には元日本代表のオレグコーチがみてくれるようになり、東京都シニア大会では試合を見にきてくれました。
試合の前日に話をしたのですが、メンタルと技術が同じステージにあってこそいいパフォーマンスが出来ること、私が怪我をしてからナショナルチームからも外され、自信を失ってそのように切り捨てられたことに対しての怒りや悲しみがまだどこか自分の中で踏ん切りがつけられていなくて、それが普段の練習で感情の波として出てしまい、不安定なことを話されました。
メンタルの部分でまずは土台がないからどれだけ技術があっても上手くならない、積み重ねることはできない、と言われました。
私は怪我以降、結果を出すことができず、焦りがあった上に、頑張っても頑張ってもどうにもならず、コーチからも見切りをつけられ、自分でなんとかするしかありませんでした。ただそのようなコーチからも見放された状況では到底自分を強く持って、自信を持つことは不可能だったと思います。
それがトラウマにもなっていたし、努力しても私には才能がないんだ、とも思っていました。
このままなんとなくフェンシング人生がフェードアウトという形で終わるのかな、とも考えていました。
もう這い上がる力も自信も持てなくて、正直、このまま続けていてもある程度は勝てるだろうけどオリンピックは到底無理だと思っていました。
なんとかしたい、早くここから抜け出したい、だけどどうしたらいいかわからない、という状況が続いていました。
オレグコーチはそのような状況も分かって、ポテンシャルがあるんだからとにかく今までのことは全部忘れて、ポジティブなメンタルの土台をまず作ろう、と言われました。

そのような話をして東京都シニアに臨みました。
予選はひどい試合で、イライラもしたし、自分に失望もしたし、全然勝てないし、自分が思ったように何もできなくて、フェンシングをするのがすごく怖かったです。やればやるほど自信を吸い取られるようでもうフェンシングをやりたくない!と予選は思っていました。本当に予選落ちしてしまうかと思いました。

予選が終わった後オレグコーチのところに行くと、迷いすぎて何をしたいのか分からない、と言われました。また、イライラしない、と言われました。
自分のフェンシングに自信がなくて、何をしても不安で、技を自分で選択しても合ってるのか自信が持てず、ポイントを取れそうになると、突く寸前で、こんなに上手く行くはずない!と思ってしまい、怖くてやめてしまう、ということがほとんどでした。

初戦はとにかく迷わないでやろう、と思いましたがやはり自信のなさが身に染みついていて、頭ではやろうと思ってもギリギリで身体が強張って止まってしまうことが多かったです。それでもなんとかとにかく根性と気合いで勝ち、次のラウンドに行くことができました。

試合後オレグコーチの所に行くと、技術的なアドバイスももらえましたが、とにかく自分でやらないといけない、と言われました。
いい環境やいいコーチ、いいサポートがあったとしてもピストで戦うのは自分で95%はあなたがやらないといけない、と言われました。
たしかに今までなんとかしたくていろいろなコーチ、環境、サポートを頼ってきましたが、何かがなければ勝てない、という状況に自分から飛び込んでいたように感じます。
結局は自分がどれだけ覚悟して責任を持って勝ちたいと思ってやるかにかかってるとその言葉で感じました。
2回戦の前は、相手が怪我以降一度も勝ったことがなかった相手だったので、今日もここで負けるのか、いい試合ができたらいいな、もしかしたら勝てるかもな、という気持ちでしたが、オレグコーチが”今日はあなた、優勝するチャンス”、と言われ、勝ちにいこう、ととにかく一点もあげない、という強い気持ちで臨みました。
もちろんそんなふうに思うのはすごく久しぶりだったので、でも競れたらいいかな、いいフェンシングてきたらいかな、ボコボコにされたらどうしよう、などいろいろなネガティブな感情が押し寄せてきました。
それを今日は私はやるんだ!と一生懸命言い聞かせて私が自分でやるんだ!と強い気持ちで臨みました。
結局、15-11で勝ち、最後少し気持ちが弱くなり、(私が勝てるはずない、と一瞬思ってしまって)連続ポイントで追い上げられて焦りましたが、今日負けたらもう一生勝てないぞ、と自分に言い聞かせてなんとか勝つことが出来ました。
その後も、とにかく勝つためになんでもやる、と思って無我夢中で戦いました。

準決勝まで行き、全身攣ったりと大変でしたが、優勝するんだ!と自分を奮い立たせる一方でやはりすこし、負けても3位で嬉しい、という気持ちがあったのは事実です。
結局負けてしまい、オレグコーチのところに行くと、3位でいいと思ったでしょ、と言われ、そういう気持ちが1%でもあったら負けてしまう、と言われました。
ただ、今日の試合は始まりとしてはいい試合だったとも言ってくれ、ゼロの自信を少しつけられたように感じました。
あの日オレグコーチがいなければ私はまた初戦か、2回戦かで敗退していたと思います。

オレグコーチとの練習は始まったばかりですが、パリに向けて一緒に最善を尽くしたいと思っています。
ものすごくいいコーチだし、メンタル面もサポートしてくれます。
だけど絶対忘れないようにしようと思ったのは、今はいいコーチ、そのコーチと練習できるようにしてくれる自分の会社があるという恵まれた環境が自分を勝たせてくれるのではないということを絶対忘れないようにしよう、と思いました。
やるのは自分、戦うのは自分、いいコーチ、環境が勝たせてくれるわけではなくて、自分がどれだけやったか、どれだけ必死か、やった分しか勝てないということ、勝たせてくれるのではなくて、自分がピストで相手と戦って勝ってこなくてはいけないということを肝に銘じてパリは覚悟を持って掴み取りたいです。

まだまだ自信を取り戻せたわけではないですが、少しずつ少しずつしっかり練習を重ねて自信ももう一度つけて頑張りたいです。
来年はリスタートの年になるんじゃないかとおもいます。

今年も皆さん温かく見守って下さり、ありがとうございました。
私ももう一度自分を奮い立たせて頑張りたいと思います。
来年こそはいいご報告がしたいです。

年末年始冷え込みますが、皆さん体調にお気をつけて良いお年をお迎えください!